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2016年度事業構想大学院大学 入学式祝辞

本日はご入学、誠におめでとうございます。

皆様は、今日から大学院生です。ご存知の通り、大学院生というのは、学ぶのではなく研究をします。これから色々な研究を行います。

皆様は社会人であり、職業経験が10年以上ある方や、特有のスキルを持つ方もいらっしゃいます。そういった中、改めてこれからの世の中を考えていかなくてはいけないと、何かやってみようと思い、その前にどのようなことをやるか考える中で、この大学院の扉を叩かれました。

皆様が高校、大学と勉強し、社会に出た時には、荒波に揉まれることもあったでしょう。しかし、現在の皆様は、仕事のプロフェッショナルです。その上で、自身が持つ知識やスキルを使い、現代と未来の世の中に、事業構想を起こすという使命があります。

この2年間はあっという間に過ぎます。だからこそ、その使命を絶対に忘れることなく、必ず「事業構想」そして事業計画の前段階の「構想計画」を作り上げるという強い意志を持ってください。この意志がないと、アイデアがひとつもでてきません。人にアイデアを聞くこともできません。2年間、必ず強い気持ちを持ち続けて過ごしていただきたいと思います。私ども事業構想大学院大学も、同じように皆様とともに進化していきます。

事業経験者である皆様は、たくさんの知財を持っています。  自分たちの構想をぶつけ合い、深く光るようなかたちで構想を作り上げていくという考えを持ち、互いを尊重することが、ご自分の研究に役立っていきます。それ以上に、本学の先生方や、ゲストの先生方および事業家、職員の方々が皆様を応援します。 

一人ひとりが必ずやるという気持ちを持ち、経験してきたもの以上のことをこの社会に残してください。そのためにも、その強い気持ちを事業計画に落とし、その計画をご自分や所属する企業で実現していただきたいと思います。

最後に、「事業構想思考」についてお話しします。 

私の経験から皆様にお伝えすることは2つです。まず、必ず頭の中で「経営者の目線」で物事を見ていくこと。新しいことを聞いた時、どういったビジネスモデルになっているか、どこで利益を上げているか、どのような組織を作っているか、採用はどのようにしているか等、経営者目線で物事を見ていくことが1つ目です。

そして、2つ目が、「生活者・消費者の目線」で物事を見ていく こと。たとえば、自分はこのサービスを受けるか、この商品を買うか、買った人はどのような気持ちになるか等です。それに関する大規模なデータを分析してみてみる。そういったものは、身の周りにたくさんあります。友人同士、同期同士に聞いても、そういうことに気づく人がたくさんいます。それらを通じて、新たな未来の顧客が開発できるのです。

この経営者目線と生活者・消費者目線を、今すぐに持っていただきたい。これが、皆様の事業構想を確立していきます。そして、事業構想には、必ず対象者がいる。対象者を狭めるほどアプローチの手段がみえ、経営管理のマーケティングに入っていくことができます。このことはすごくシンプルですから、ぜひ覚えておいてください。

また、どのような分野でもアイデアが大事です。人の事業構想や構想計画を聞き、それに対して自分のアイデアを出させていただくといった練習をしてください。アイデアを出す思考にしていかないと、事業構想はできません。ぜひこれらを覚え、実践してもらいたいと思います。

皆様がこの2年間、研究に研究を重ね、そして大きな成果を出していくことを祈願しまして、ご挨拶に代えさせていただきます。

本日は、誠におめでとうございます。

2016年4月2日

学校法人日本教育研究団                  理事長 東 英弥